赤外線サーモグラフィーで雨漏りを見つける。目視だけでは限界がある理由

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「業者に見てもらったのに、原因がわからなかった」

雨漏りの相談で一番多いのが、実はこのパターンです。

「修理したのに、また同じ場所から水が垂れてくる」「3社に見てもらったけど、みんな言うことが違う」——こうした話を聞くたびに、雨漏りという問題の厄介さを痛感します。

雨漏りを放っておけば、内部の木材が腐り、シロアリを呼び、カビで健康にも影響が出る。深刻な問題だとわかっているのに、なぜプロが見ても原因がわからないことがあるのか。

答えはシンプルで、従来の目視調査だけでは見えない雨漏りがあるからです。

この記事では、小原塗装が現場で実際に使っている赤外線サーモグラフィーによる雨漏り調査について、何がわかるのか、どこまで信用できるのかを正直にお伝えします。



目視調査の限界——水は壁の中を「迂回」する

一般的な雨漏り調査は、屋根に上って瓦のズレを確認したり、外壁のひび割れを探したりする目視が基本です。腕のいい職人なら、これだけで大半の原因を見抜けます。

ただ、どうしても目視では辿り着けないケースがある。


雨漏りの一番厄介なところは、水が入ってきた場所と、水が垂れてくる場所がまったく別だということです。

屋根の隙間から入った雨水が、柱を伝い、断熱材を横に流れ、数メートル離れた部屋の天井から出てくる。こういうことが普通に起きます。壁の中を水がどう動いているかは、表面をいくら眺めてもわかりません。

私たちも以前は目視と散水調査だけでやっていましたが、「どうしても特定できない」現場に何度か当たって、赤外線サーモグラフィーを導入することにしました。


赤外線サーモグラフィーで何がわかるのか

赤外線サーモグラフィーは、物体が放出する赤外線を感知して、温度の違いを色で表示するカメラです。

なぜこれで雨漏りがわかるかというと、水を含んだ建材は周囲より温度が低くなるからです。水が蒸発するときに熱を奪う「気化熱」の影響で、濡れている部分は乾いている部分より冷たい。サーモグラフィーで見ると、そこだけ青く映ります。

つまり、壁を壊さなくても、水がどこを通っているかが見える。これが最大のメリットです。


もう少し具体的に言うと、赤外線診断でできることは主に3つあります。


まず、建物に触らずに調査できること。壁を剥がしたり水をかけたりする必要がないので、建物を傷めません。カメラを向けるだけで広い範囲を一度にチェックできます。

次に、画像として証拠が残ること。職人の「たぶんここだと思います」ではなく、熱画像データとして記録されるので、お客様にも「ここが原因です」と目で見て確認していただけます。

そしてもう一つ、まだ室内には漏れていないけれど壁の中に水が溜まり始めている——いわば「雨漏りの卵」を見つけられること。この段階で手を打てれば、修理費用はかなり抑えられます。



ただし、カメラを持っていれば誰でもできるわけではない

ここは正直に言っておきたいのですが、サーモグラフィーは万能ではありません。


正確な結果を出すには、撮影する天候・時間帯・気温差がかなり重要です。外気温と室内の温度差が大きいとき、雨の直後、日没後の温度変化が激しい時間帯——こうした条件を選んで撮影しないと、使えるデータが取れません。「いつ行っても同じ結果が出る」というものではないんです。

小原塗装では、その日の天候を見て、最も精度が出るタイミングを選んで調査しています。だから「明日すぐ来てください」と言われても、条件が悪ければ別の日をお勧めすることもあります。


もっと大事なのは、撮った画像の「読み」です。

画面に青く映ったからといって、それが全部水とは限りません。断熱材が入っていない場所や、構造上の熱橋(ヒートブリッジ)でも同じように青くなる。それが水なのか、構造の問題なのかを見分けるには、建築の知識と現場経験が必要です。

医療のレントゲンと同じで、撮るのは機械ですが、診断するのは人間です。サーモグラフィーのデータを目視調査の結果と突き合わせて、総合的に判断できるかどうか。ここがプロとそうでない人の差だと思っています。


実際にあった事例——ベランダの下の雨漏り

一つ、わかりやすい事例を紹介します。

「ベランダの下から雨漏りがする」というご相談で、以前別の業者さんがベランダの床の防水をやり直したそうです。でも直らなかった。

私たちが赤外線で調べたところ、原因はベランダの床ではなく、2階の窓サッシの枠のわずかな隙間でした。熱画像を見ると、サッシの角から青い筋がベランダの裏側に向かって伸びているのがはっきり映っていた。

水の入り口がわかれば、あとは話が早い。サッシ周りのシーリングを打ち直すだけで、雨漏りは完全に止まりました。ベランダの防水を全面やり直すよりも、ずっと少ない工事で済んだわけです。

これがもし目視だけだったら、おそらく私たちも「ベランダの床が怪しい」と判断していたかもしれません。サーモグラフィーがあったからこそ、正しい原因にたどり着けた。そういう現場でした。



「どこに頼んでも直らない」という方へ


雨漏りは、原因さえわかれば直せます。逆に言えば、原因がわからないまま修理しても、お金と時間を無駄にするだけです。

私たち小原塗装は、赤外線サーモグラフィーと30年の現場経験を組み合わせて、原因の特定にこだわっています。機材だけに頼るのではなく、機材と人の目の両方を使う。そこが私たちの診断の強みだと考えています。

「他社に見てもらったけど原因不明と言われた」「修理したのに再発した」——そういう方こそ、一度ご相談ください。


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小原塗装 代表 小原 功次

最後までお読みいただき、ありがとうございました。