雨漏りの意外な犯人!ベランダの「笠木(かさぎ)」が原因だった?見分け方と修理費用を専門家が解説

天井や屋根はなんともないのに、なぜかベランダの下の外壁にシミができている…。


雨漏りの原因がまったくわからず、どこに相談すればいいか不安になりますよね。実は、その雨漏りの意外な犯人は、ベランダの手すりの一番上に被せてある「笠木(かさぎ)」かもしれません。


この記事では、雨漏り診断のプロが、見落とされがちな「笠木」からの雨漏りについて、その原因からご自身でできるチェック方法、修理の費用感まで詳しく解説します。


そもそも「笠木(かさぎ)」とは?どの部分のこと?

「笠木」と聞いても、ピンとこない方がほとんどかもしれません。多くの人が普段意識していない部分ですが、建物を守る重要なパーツです。


ベランダの壁を雨から守る「フタ」の役割

笠木とは、ベランダやバルコニーの腰壁(手すり壁)の最も上に被せられている、金属やセメントなどでできた仕上げ材のことです。


この腰壁のてっぺんは、雨や紫外線に直接さらされるため、何もしなければすぐに劣化し、内部に水が浸入してしまいます。笠木は、この壁の頂点を覆う「フタ」として、壁の内部に雨水が直接浸入するのを防ぐという、非常に重要な役割を担っているのです。


なぜ笠木が雨漏りの原因に?浸水を招く3つの劣化パターン

では、なぜその「フタ」であるはずの笠木から雨漏りが発生してしまうのでしょうか。それには、主に3つの劣化パターンがあります。


パターン1:笠木を固定する「釘」の穴からの浸水

笠木は、下の壁に釘やビスで固定されています。新築時はしっかり防水処理がされていますが、経年で釘が熱で膨張したり、振動で緩んだりすると、そこにわずかな隙間が生まれます。その小さな隙間から雨水がじわじわと浸入し、壁の内部を濡らしてしまうのです。


パターン2:笠木の「つなぎ目」のコーキング(シーリング)劣化

長いベランダでは、笠木はいくつかの部材に分かれており、そのつなぎ目はコーキング(シーリング)で埋められています。このコーキングが紫外線や風雨にさらされてひび割れたり、剥がれたりすると、そこが直接的な水の浸入口となってしまいます。


パターン3:笠木自体の歪みや変形による隙間

台風で物が飛んできて当たった衝撃や、過去の不適切な工事などが原因で、笠木自体が歪んだり変形したりすることがあります。笠木が変形すると、壁との間に隙間ができてしまい、そこから雨水が浸入するようになります。


ご自宅でできる!笠木の劣化セルフチェックリスト

ご自宅のベランダで、以下の項目をチェックしてみてください。一つでも当てはまれば、笠木が雨漏りの原因となっている可能性があります。


  • □ 笠木のつなぎ目のコーキングに、ひびや剥がれはないか?
  • □ 笠木を固定している釘の頭が、浮いたり錆びたりしていないか?
  • □ 笠木本体に、凹みや目立つ傷、歪みはないか?
  • □ 笠木の下の外壁に、雨だれのような黒い筋や、塗装の膨れはないか?


笠木からの雨漏り修理、どうすればいい?修理方法と費用感


もし笠木の劣化が見つかった場合、どのような修理方法があるのでしょうか。


応急処置としてのコーキング補修【費用目安:2万円~5万円】

釘穴や継ぎ目の隙間をコーキングで埋める方法です。費用は比較的安いですが、あくまで一時的な応急処置です。笠木の下地がすでに腐食している場合など、根本的な解決にはならず、数年で再発する可能性が高いです。


根本解決のための笠木交換(カバー工法・交換工事)【費用目安:5万円~15万円】

最も確実なのは、笠木自体を新しくする方法です。既存の笠木の上から新しい笠木を被せる「カバー工法」や、既存のものを全て撤去して新しいものに取り替える「交換工事」があります。下地の状態までしっかりと確認・補修できるため、根本的な解決に繋がります。


注意:安易なDIYは、被害を拡大させる恐れも

コーキング補修程度であればDIYも可能に思えますが、原因の特定を誤ったまま表面だけを塞いでしまうと、水の出口がなくなり、壁の内部で水分が滞留してしまいます。結果として、内部の柱や断熱材の腐食を進行させ、より大規模な工事が必要になるなど、被害を拡大させる恐れがあります。


原因不明の雨漏りこそ「雨漏り診断士」の出番です


笠木からの雨漏りは、原因の特定が非常に難しいケースの一つです。


目視だけではわからない、本当の浸水経路

笠木が原因に見えても、実は外壁のひび割れなど、別の要因が複雑に絡み合っているケースは少なくありません。表面的な補修を繰り返しても雨漏りが止まらないのは、この「本当の原因」を見つけられていないからです。


散水調査で雨を再現し、原因を特定する

私たち雨漏り診断士は、怪しい箇所に水をかけて雨の状況を再現する「散水調査」などを行い、水の浸入口を正確に突き止めます。推測ではなく、事実に基づいて原因を100%特定してから修理を行うため、再発のリスクを断つことができるのです。



ベランダ周りの不審なサインは、専門家による早期診断を

この記事のポイントをまとめます。


  • ベランダ下の原因不明の雨漏りは、見落としがちな「笠木」が原因かもしれない。
  • 安易なDIY修理は、根本解決にならないばかりか、かえって被害を拡大させるリスクがある。
  • 雨漏り修理で最も重要なのは、工事の前に「原因を正確に特定」すること。


ベランダ周りに不審なサインを見つけたら、手遅れになる前に、まずは専門家による早期診断を受けることを強くお勧めします。


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