サイディングのシーリング(コーキング)補修はDIYで可能?プロが教える正しいメンテナンスと費用相場

築10年以上が経過した我が家。ふと外壁を見ると、サイディングのつなぎ目にあるゴムのような部分(シーリング)に、ひび割れや剥がれが…。


「これくらいなら、ホームセンターで道具を買ってきて自分で直せるかな?」

「でも、失敗して雨漏りにつながったらどうしよう…」


この記事では、そんなお悩みを持つあなたのために、シーリング補修のプロが「DIYのリスク」と「専門業者が行う正しい工事」、そして気になる「費用相場」まで、分かりやすく徹底解説します。大切な住まいを長持ちさせるための最適な選択を知り、後悔のないメンテナンスを行いましょう。


そもそもサイディングのシーリングとは?住まいを守る2つの重要な役割

外壁のボードとボードの隙間を埋めているシーリング(コーキングとも呼ばれます)。ただの隙間埋めだと思っていませんか?実は、住まい全体を守るための非常に重要な役割を担っています。


役割①:雨水の浸入を防ぐ「防水の生命線」

シーリングの最も重要な役割は、その隙間から雨水が壁の内部に浸入するのを防ぐことです。もしシーリングが劣化して隙間ができると、そこから雨水が入り込み、壁の内部にある断熱材を濡らしたり、建物の柱や土台を腐らせたりする原因になります。まさに、建物の「防水の生命線」なのです。


役割②:地震や振動から外壁を守る「クッション」

弾力性のあるシーリングは、地震の揺れや、気温の変化によるサイディングボードのわずかな膨張・収縮を吸収するクッションの役割も果たしています。このクッション機能があるおかげで、硬いサイディングボード同士がぶつかり合ってひび割れたり、破損したりするのを防いでくれるのです。


【セルフチェック】この症状は劣化のサイン!放置が危険なシーリングの状態

ご自宅のシーリングは大丈夫ですか?以下のような症状が見られたら、メンテナンスが必要なサインです。


サイン①:ひび割れ(クラック)

シーリングの表面に、髪の毛のような細い線や、より深い亀裂が入っている状態です。放置すると亀裂が深くなり、雨水が浸入しやすくなります。


サイン②:肉やせ

シーリング材が劣化し、厚みがなくなって細く痩せてしまっている状態です。壁との間に隙間ができ始めている可能性があります。


サイン③:剥離(はくり)

シーリングがサイディングボードから完全に剥がれ、隙間ができてしまっている状態。この状態では防水機能は全くなく、雨水が直接浸入してしまいます。


サイン④:硬化

触ってみて、ゴムのような弾力性がなく、カチカチに硬くなっている状態。クッションとしての役割を果たせず、サイディングボード本体の破損につながる恐れがあります。


「自分でやってみよう」の前に!シーリング補修DIYに潜む3つの大きなリスク

費用を抑えるためにDIYを検討する方も多いですが、専門家の視点から見ると、シーリングのDIYには大きなリスクが伴います。


リスク1:古いシーリングの撤去不足で、すぐに剥がれてしまう

DIYで最も多い失敗が、古いシーリングの撤去が不十分なまま、上から新しいシーリングを充填してしまうケースです。劣化したシーリングの薄皮一枚でも残っていると、新しいシーリングがしっかりと密着せず、わずか1〜2年で再び剥がれてきてしまいます。


リスク2:下地処理(プライマー)の不備で、防水性能が発揮できない

プライマーとは、シーリング材を壁に強力に接着させるための「下塗り材」です。プロが最も重要視する工程の一つですが、DIYではこの工程を省いてしまう方が少なくありません。プライマーを塗布しないと接着力が著しく低下し、本来の防水性能を発揮できなくなります。


リスク3:間違ったシーリング材選びで、かえって寿命を縮める

シーリング材には様々な種類があり、サイディングの種類や、その上に塗装する塗料との相性を考えて選ぶ必要があります。例えば、塗料を弾いてしまうシーリング材を使ってしまうと、せっかく外壁塗装をしてもシーリングの上だけ色が乗らない、といったトラブルに繋がります。


プロはここが違う!正しいシーリング「打ち替え」工事の全6工程

専門業者が行う「打ち替え」工事は、ただ古いものを新しくするだけではありません。建物の寿命を延ばすための、丁寧で確実な工程があります。


工程①:カッター等による既存シーリングの完全撤去

専用のカッターなどを使い、古いシーリングをミリ単位で徹底的に除去します。


工程②:周囲を汚さないための養生(マスキング)

シーリングを充填する箇所の両脇にマスキングテープを貼り、はみ出して外壁を汚すのを防ぎます。


工程③:接着力を高めるプライマーの塗布

シーリング材とサイディングボードの密着性を最大限に高めるため、専用のプライマーを丁寧に塗布します。


工程④:新しいシーリング材の隙間なき充填

専用のガンを使い、奥まで空気が入らないように、かつ均一な量で新しいシーリング材を充填していきます。


工程⑤:ヘラで空気を抜き、表面を平滑に仕上げる

充填したシーリング材をヘラで押さえ、内部の空気を抜きながら表面を滑らかに仕上げます。この作業が、見た目の美しさと防水性を左右します。


工程⑥:最適なタイミングでの養生テープ撤去と乾燥

シーリング材が硬化しすぎる前に、絶妙なタイミングで養生テープを剥がします。その後、完全に硬化するまで乾燥させます。


気になる費用は?シーリング打ち替えの費用相場と見積もりのポイント

専門家に頼む場合の費用についても知っておきましょう。


シーリング打ち替えの単価目安【900円~1,500円/m】

シーリングの打ち替えは、メーター単位で費用を計算するのが一般的です。一般的な30坪の戸建て住宅の場合、シーリング工事だけで約15万円~25万円が目安となります。


なぜ足場が必要?足場代の目安【15万円~25万円】

2階建て以上の住宅では、安全の確保と作業品質の向上のために足場の設置が必須です。足場の費用は別途約15万円~25万円が目安です。そのため、シーリング工事は外壁塗装と同時に行うのが、足場代を一度で済ませられるため最も効率的でお得です。


見積もりで必ず確認すべき3つのチェックポイント

  • 工事内容:「増し打ち」(古いものの上から重ねる)ではなく、根本的な解決になる「打ち替え」になっているか。
  • シーリング材の種類:建物の外壁や今後の塗装プランに合った材料が選ばれているか。
  • 保証の有無:施工後の保証が付いているか。


大切な住まいを守るために。シーリングのメンテナンスは信頼できる専門家へ

ここまで見てきたように、シーリングは建物の防水性と耐久性を支える非常に重要な部分です。


  • シーリングの劣化は、雨漏りや外壁の腐食に繋がる危険なサイン
  • 安易なDIYはリスクが高く、根本的な解決にはならない可能性がある。
  • 正しい知識と技術を持つ専門家への依頼が、結果的に住まいを長持ちさせ、長期的なコストパフォーマンスも高くなる。


大切な住まいを守るためにも、シーリングのメンテナンスは信頼できる専門家へ相談することをおすすめします。



茨木市・北摂エリアでサイディングの劣化にお悩みなら、小原塗装にご相談ください


「うちの壁は大丈夫だろうか?」「一度、専門家に見てもらいたい」

そう思われたら、ぜひ私たちにご相談ください。


小原塗装では、シーリングの状態はもちろん、外壁全体の状態をプロの目で診断し、あなたの住まいに今本当に必要なメンテナンスプランを正直にご提案します。


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