モルタル壁の深いひび割れ(クラック)を根本から直す「Vカット工法」とは?プロの補修手順

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はじめに

築年数が経過したモルタル外壁の家にお住まいの方で、このようなお悩みはありませんか?

「窓のサッシ周りや壁の真ん中に、名刺が入るほどの深いひび割れがある」

「以前、業者にコーキングで埋めてもらったが、すぐにまた同じ場所が割れてきた」

モルタル壁のひび割れ(クラック)は、放置すれば雨漏りに直結する深刻な問題です。しかし、その場しのぎの補修では何度でも再発してしまいます。

深いひび割れを根本から治療するために必要なのが、「Vカット(Uカット)工法」と呼ばれる専門的な補修技術です。

この記事では、茨木市で30年以上にわたりモルタル壁の補修を手掛けてきた小原塗装が、Vカット工法の仕組みと、プロだけが知る「跡を目立たせないための技術」について詳しく解説します。


なぜモルタル壁はひび割れる?放置の危険性

そもそも、なぜ強固に見えるモルタル壁にひびが入るのでしょうか。


モルタルの宿命「乾燥収縮」と「地震」

モルタルは、セメントと砂と水を混ぜて作ります。施工後、水分が蒸発して乾燥する過程で、体積がわずかに縮みます(乾燥収縮)。この時に引っ張られる力が働き、ひび割れが発生しやすくなります。

また、モルタルは「硬くて脆い」素材なので、地震の揺れや、幹線道路沿いの振動などの影響を受けやすく、その力に耐えきれずに割れてしまうのです。


放置厳禁!「構造クラック」の恐怖

幅が0.3mm以下の髪の毛のようなひび割れ(ヘアクラック)であれば、緊急性は低いです。

しかし、幅が0.3mm以上、深さが5mm以上あるような深いひび割れは「構造クラック」と呼ばれ、非常に危険です。

この隙間から雨水が侵入すると、壁の内部にある防水紙(ラスカット)を腐食させ、さらにその奥の木柱や鉄筋を錆びさせます。建物の強度そのものを揺るがす大問題に発展しかねません。



Vカット工法とは?なぜ「わざわざ削る」のか

Vカット工法とは、ひび割れの部分に沿って、専用の電動工具(サンダー)でV字型(またはU字型)に溝を掘り、その溝に補修材を充填する工法です。

「えっ、ひび割れを直すのに、わざわざ壁を削って傷を広げるの?」と驚かれるかもしれません。しかし、これこそが再発を防ぐための最も重要なポイントなのです。


理由①:接着面積を広げるため

細いひび割れの上からシーリング材を擦り込んでも、接着面が少なすぎるため、すぐに剥がれてしまいます。

あえて溝を掘って接着面積を広げることで、補修材ががっちりと壁に食いつき、強固な一体化を図ることができます。


理由②:補修材を「奥まで」充填するため

ひび割れは表面だけでなく、奥深くまで達しています。Vカットすることで、ひび割れの最深部まで確実にシーリング材や樹脂モルタルを届かせ、雨水の侵入経路を完全に断つことができます。


理由③:建物の「動き」に追従させるため

溝に充填する弾性シーリング材がクッションの役割を果たします。今後、地震などで建物が動いても、シーリング材が伸縮して力を吸収するため、同じ場所が再び割れるのを防ぐことができるのです。

いわば、Vカット工法はモルタル壁に対する「外科手術」のようなものです。



プロが解説!Vカット補修の全7工程

Vカット補修は非常に手間のかかる作業です。手抜きのない正しい工程をご紹介します。


  1. カット(溝掘り):ダイヤモンドカッターを装着したサンダーで、ひび割れに沿って幅10mm〜、深さ10mm〜程度の溝を掘ります。
  2. 清掃・プライマー塗布:溝の中の粉塵を綺麗に掃除し、接着剤となるプライマーをたっぷり塗布します。
  3. シーリング充填:溝の底に、弾力性のある変成シリコンなどのシーリング材を充填します。これがクッションの役割を果たします。
  4. ならし(ヘラ仕上げ):充填したシーリング材をヘラで押さえ、密着させます。
  5. 樹脂モルタルによる埋め戻し:シーリング材が乾いたら、その上から「樹脂モルタル(カチオンフィラーなど)」を使って、壁の高さまで平らに埋め戻します。
  6. パターン(模様)の復旧:周囲の壁の模様に合わせて、凹凸を再現します。(※後述)
  7. 塗装(仕上げ):最後に、壁全体を塗装して仕上げます。



「跡が目立たない」がプロの技。パターン復旧の重要性

Vカット補修で最も技術の差が出るのが、6番目の「パターン(模様)復旧」です。

樹脂モルタルで埋めただけでは、その部分だけが平らになり、塗装した後も補修跡が「ミミズ腫れ」のようにくっきりと目立ってしまいます。これでは美観が台無しです。


小原塗装のこだわり:周囲の壁と一体化させる技術

私たち小原塗装では、ただ埋めることはしません。

  • リシン吹き付け(砂壁状の模様)
  • スタッコ(凹凸の大きな模様)
  • ボンタイル(玉模様)

など、既存の外壁の模様に合わせて、スプレーガンや専用ローラーを使い、補修箇所に同じ模様を再現(肌合わせ)します。

この一手間を加えることで、塗装した後にどこを補修したのか分からないほど、自然で美しい仕上がりになります。


まとめ

モルタル壁の深いひび割れは、家の寿命を縮める危険なサインです。表面的な補修でごまかさず、「Vカット工法」という根本治療を選択してください。

Vカットは手間がかかり、高度な技術を要する工法です。だからこそ、業者選びが重要になります。

「このひび割れ、どうやって直すのが正解?」と迷われたら、ぜひ一度、小原塗装にご相談ください。

30年の経験を持つ職人が、あなたの家の壁に最適な治療法をご提案します。


ひび割れ診断・Vカット補修のお見積もりは無料です。


小原塗装 代表 小原 功次

最後までお読みいただき、ありがとうございました。